Concern over bulk imports


輸入はちみつ残留グリホサートに関する日本当局の懸念は、小売り用容器入り製品から、バルク品(大量輸入し、日本国内で小売り容器に詰めて販売する)、特にアルゼンチン産とカナダ産はちみつへと移行してゆくものと考えられます。

アルゼンチンの養蜂業界誌エスパーシオ・アピコーラ
アルゼンチンの養蜂業界誌エスパーシオ・アピコーラ


アルゼンチンの場合

アルゼンチン産はちみつの輸入量は、中国に次ぐ第2位です。2014年から2019年までの5年間で、アルゼンチンからの輸入量は288万7千トンから482万トンに増加しました。増加割合は67.6%です(下の表をご参照ください)。

 

JCIではアルゼンチン産のはちみつが、アルゼンチンの会社名で販売されているのをこれまで目にしていません。中国産はちみつと同様、アルゼンチン産はちみつも、日本の企業がバルク品として大量に買い付けたものが日本でパッキングされ、日本企業のブランド名で販売されています。

アルゼンチンの養蜂業界誌は、もしグリホサートの最大残留基準値(MRL)が1キログラムあたり0.01ミリグラムという規制がアルゼンチン産はちみつに適用された場合、同国産のはちみつは、日本では「実質的に販売できなくなる」と記載しています。同誌は日本のはちみつ会社が、残留基準値を上げるよう当局と交渉中であるとも報じています(a)

ブエノスアイレス・タイムズ紙の記事では、アルゼンチン国内で毎年使用される農薬のおよそ半分がグリホサートであり、また同国はグリホサートを世界でもっとも大量に使用している可能性があると報じています。グリホサートが主に使用されるのは遺伝子組み換え大豆です。同紙によれば、2,800万ヘクタールの農地におよそ3億リットルのグリホサートが噴霧されています(b)


カナダの場合

カナダ産はちみつの輸入量は、中国・アルゼンチンに次ぐ第3位です。2014年から2019年までの5年間で、カナダからの輸入量は279万9千トンから、385万1千トンに増加しました。増加割合は42.2%です(下の表をご参照ください)。

 

カナダ産はちみつもの大半も、中国産・アルゼンチン産と同じくバルク品として輸入され、日本国内でパッキングされ、日本のブランド名で販売されています。

 

2018年にアルバータ州農林局の研究者が実施した調査では、200種類のはちみつ試料のうち197種から、すなわち98.5%のはちみつからグリホサートの残留が検出されました(c)。残留グリホサート濃度は、1キログラムあたり0.01ミリグラムから0.49ミリグラムでした。0.5ミリグラムという値は、日本で定められたMRLの5倍にあたります(d)

カナダ保健省では、はちみつについてはMRLを設けておらず、1キログラムあたり0.1ミリグラム以下であることとしています。この値は日本のMRLの10倍にあたります。アルバータの研究者の調査では、グリホサートは有効成分の一つとして、カナダで登録済みの181種類の除草剤に使用されています。またカナダ保健省は、カナダで最もよく用いられる除草剤がグリホサートであると発表しています(e)



(a)アルゼンチンの養蜂業界誌(ウェブマガジン)エスパーシオ・アピコーラEspacio Apicola記事。2020年10月10日付。2021年2月23日閲覧。

https://www.apicultura.com.ar/news.html    

(b)「賛否両論のグリホサート、アルゼンチンで使用量増加」フェルミン・クープ執筆、ブエノスアイレス・タイムズ紙The Buenos Aires Times記事。2018年1月13日付。2021年2月24日閲覧。

https://www.batimes.com.ar/news/economy/glyphosate-use-on-the-rise-in-argentina-despite-controversy.phtml

(c)「カナダ産はちみつ試料の98%から除草剤の残留検出」エンバイロメンタル・ヘルス・ニュース誌Environmental Health News(EHN)記事。2019年3月22日付。2021年2月24日閲覧。EHNは英国を拠点とし、科学情報誌を専門に出版するBioMedCentralの定期刊行物の一つ。

https://www.ehn.org/weed-killer-residues-found-in-98-percent-of-canadian-honey-samples-2632384800.html

(d)Thomas S. Thompson, Johan P. van den Heever & Renata E. Limanowka. “Determination of glyphosate, AMPA, and glufosinate in honey by online solid-phase extraction-liquid chromatography-tandem mass spectrometry”.

Food Additives & Contaminants: Part A. Volume 36, 2019 - Issue 3.

2019.2.26. The study’s authors are employed by Agri-Food Laboratories, Alberta Agriculture and Forestry, Edmonton, Alberta.
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/19440049.2019.1577993

(e)https://www.canada.ca/en/health-canada/services/consumer-product-safety/reports-publications/pesticides-pest-management/fact-sheets-other-resources/glyphosate.html

2021.2.24