manuka and kanuka


マヌカとカヌカ:はちみつの違い

1.カヌカはちみつの色合いは、マヌカよりも明るめです。味わいも似ていますがカヌカのほうがマイルドです。

 

2.カヌカの抗菌力は過酸化水素によるものです。メチルグリオキサール(MGあるいはMGO)も含有しますが、ごく少量にすぎません。

 

マヌカの木とカヌカの木:大きな違い

1. カヌカの木が樹高30メートルにまで成長するのに対し、マヌカは通常5メートルを超えることはありません。またカヌカの木の下半分には枝がつきません。

 

2.カヌカの葉は柔らかく、マヌカの葉はとがっています。カヌカの花のおしべは花びらよりも長く、マヌカの花のおしべは花びらよりも短いのです。

 

分類

カヌカは1983年まではマヌカと同じレプトステルムム属の木に分類されていました。当時の学名はLeptospermum ericoidesです。オーストラリアの植物学者(ジョイ・トンプソン)の研究によりカヌカの分類が見直され、
学名もKunzea ericoidesに変わりました。この結果カヌカは、マヌカ(Leptospermum scorparium)とは別の属となりました。

 

背景

レプトスペルムム属にはおよそ80種類の木があり、その中にはジェリーブッシュとして知られるものもあります(ジェリーブッシュ・ハニーにはマヌカと同じく、過酸化水素由来ではない、強い抗菌力があります)

 

ギョリュウバイLeptospermum scoparium

(マヌカ)はニュージーランドに固有の種ではありません。オーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、タスマニア州で見られます。ただし数はそれほど多くはありません。

 

ふさわしい気候

 ギョリュウバイ(マヌカ)がオーストラリア原産であることは確かなのですが、遥か昔にニュージーランドに持ち込まれ、オーストラリアよりも繁殖にふさわしい気候であることから、急激にニュージーランド全土に広がりました。

 

マヌカの英名はティートゥリーtea treeです。マオリの人々、特にニュージーランド北島のマオリの人々は、マヌカのことをカキタホアと呼んでいます。カキタホアには幾つかの亜種が存在します。

 

はちみつ市場

ニュージーランド国内で、カヌカと銘打ったはちみつを生産している養蜂家はわずかです(JCIが把握しているのは二社のみ)。ほぼカヌカはちみつであるにもかかわらず、マヌカと表示している生産者(エアボーン社がこの一例)もありますし、カヌカとマヌカの混合はちみつをマヌカと表示している生産者もいます。

 

カヌカ蜜をマヌカと銘打っている生産者は、「通称論」をその根拠としています。つまり、ニュージーランドではこれまで100年以上にわたり、カヌカ・マヌカの双方をマヌカはちみつと表示してきたため、カヌカもマヌカと表示することが許容されるべきだとする立場です。

 

CODEX

この立場の製造者は「通称論」正当性の
根拠として、国際食品規格委員会(CODEX)が、はちみつのラベルには蜜源とした花の学名または「通称」を表示してよいとしていることを挙げています。

カヌカの花
カヌカの花
満開のカヌカの木
満開のカヌカの木
マヌカの花
マヌカの花
満開のマヌカの木
満開のマヌカの木

ニュージーランド政府の立場

ニュージーランド政府はマヌカはちみつの定義を検討中で、カヌカをマヌカはちみつから除外するものと見られています。この検討作業は第一次産業省が援助する科学プログラムの中で実施されており、2016年末までに結論が出るものと見られます。

 

ニュージーランド第一次産業省は次のように述べています。「第一次産業省の科学プログラムのため、花からはちみつへの全過程を明らかにできるような、ギョリュウバイの特性に焦点を定めている。マヌカを、カヌカを含む他の花との識別を可能にする特性を調査中である」

 

JCIの見解

第一次産業省が、マヌカの定義からカヌカを除外できた場合、以下のようなことが考えられます。

 

1.マヌカの定義が新しくなれば、「マヌカはちみつ」の供給量が減少し、ギョリュウバイの花のみを蜜源とするはちみつ価格が上昇するでしょう。

 

2.第一次産業省による新たな定義の妥当性について、裁判で争う製造者が出るでしょう。法的手続きには時間がかかり、新たなマヌカはちみつの定義が、ニュージーランドのはちみつ産業に対して適用されるまでに、一年から二年を要するものと思われます。

 

科学的知見の可能性

マヌカ・カヌカともに、それぞれ異なる面で健康によいことははっきりしています。この二種類のはちみつの研究が進めば、健康増進に貢献する新たな特性が明らかになるかもしれません。

(写真はすべてフィル・ベンドル撮影)



出典: 

1. Mānuka/kāhikatoa and kānuka. New Zealand Department of Conservation.

Website article accessed July 30, 2016.

http://www.doc.govt.nz/nature/native-plants/manuka-kahikatoa-and-kanuka/

2. The factors responsible for the varying levels of UMF in mānuka

(Leptospermum scoparium) honey. Stephens, J. M.  Ph.D. dissertation, Waikato University,

Hamilton, New Zealand, 2006.

3. Differentiation of Manuka Honey from Kanuka Honey and from Jelly Bush Honey using HS-SPME-GC/MS and UHPLC-PDA-MS/MS

Nicole Beitlich, Isabelle Koelling-Speer, Stefanie Oelschlaegel, and Karl Speer

J. Agric. Food Chem., 2014, 62 (27), pp 6435–6444.

4. Manuka—The biography of an extraordinary honey. Cliff Van Eaton. Exisle Publishing.

Auckland, 2014.

5. Field Guide to New Zealand’s Native Trees. John Dawson & Rob Lucas. Craig Potten Publishing. Nelson, 2012.

6. Airborne Honey Ltd website.

7. New Zealand Ministry for Primary Industries.