Manuka Oil and tea tree oil: the difference


マヌカオイルとティーツリーの違いに関するご質問をよく頂戴します。

 

原料となる木の種類が異なります。また効能面ではマヌカオイルの方が高い傾向があります。

 

マヌカオイルを「ティーツリーオイル」と呼ぶ人々もおられるのですが、これはマヌカオイルとオーストラリア製ティーツリーオイルの混同を招いている一因です。

 

「ティーツリー」というのは植民地宗主国の言語である英語です。1700-1800年代に英国からニュージーランドあるいはオーストラリアに来た入植者が、お茶として用いた葉であれば、それがどの種類であってもティーツリー(茶の木)という名称で呼ぶことができます。またこの語は入植者が見た、先住民が浸出液(お茶もこの一種)を作るのに用いていた木を指す場合もあります。(註1

 

ニュージーランドおよびオーストラリアには、少なくとも4つの固有種がティーツリーという名称で呼ばれていることがわかっています。現代でも(ニュージーランドの人もオーストラリアの人も)正確な知識なく、マヌカはニュージーランドのティーツリーだと大雑把なくくり方をする人々も存在します。(註2

 

マヌカオイルの場合、もっと正確な定義が可能です。マヌカオイルは学名Leptospermum scoparium(マオリ語ではマヌカ、あるいはカヒカトア)という植物から採られたものです。フトモモ科ギョリュウバイ属の植物です。

 

Leptospermum scopariumはおよそ80種あるギョリュウバイ属のうちの一つです。ただしニュージーランドのギョリュウバイ属の植物はこの一種のみであることから、この植物以外からマヌカオイルが採られることはあり得ません。

ところがニュージーランドとは異なり、オーストラリアにはギョリュウバイ属の植物がたくさんあります。この結果、こうしたギョリュウバイ属の花みつから採られたはちみつが「マヌカはちみつ」を詐称して市場に出回ることがあります。同様にギョリュウバイ属の木から採った精油を、マヌカオイルと同じものだと消費者に思わせるような売り方がされる場合もあるのです。

 

オーストラリア産ティーツリーオイルとはたいていの場合、学名Melaleuca alternifoliaというオーストラリア固有種の植物由来です。この木はフトモモ科コバノブラシノキ属です。このほかに、それほど多くはありませんが同じフトモモ科の木、たとえばMelaleuca linariifoliaなどから採られたオイルもあります。

 

このような混乱に鑑み、消費者に正確な情報を提供するという観点から、「ティーツリーtea tree 」の語は、そのエッセンシャルオイルの学名が併記されていない限り商品名には用いるべきではないというのが弊社の見解です。

 

マヌカオイルとオーストラリア産ティーツリーオイルの類似点

 

(1) フトモモ科の木であること。

 

(2) 先住民が葉や花やオイルを医療目的で使用してきた長い歴史があること。

(3) 抗菌・抗炎症効力があり、また抗ウイルス特性をもつことが科学的に認められていること。

マヌカ:フトモモ科ギョリュウバイ
マヌカ:フトモモ科ギョリュウバイ

Photo: Phil Bendle

ティーツリー:フトモモ科コバノブラシノキ
ティーツリー:フトモモ科コバノブラシノキ

Photo: Geoff Derrin


マヌカオイルとオーストラリア産ティーツリーオイルの相違点

 

(1) マヌカオイルの活性化合物の濃度は、オーストラリア産ティーツリーオイルよりも高い。特にマヌカオイルの場合、トリケトンとして知られるテルペノイド化合物を多く含む。イーストケイプ・マヌカオイルの場合、黄色ブドウ球菌などのグラム陽性菌に対する活性は、オーストラリア産ティーツリーオイルの20倍から30倍高いことが、科学的研究の結果明らかになっている。(註3

 

(2) マヌカオイルは通常オーストラリア産ティーツリーオイルよりも高価である。日本国内の小売価格を比べれば、10ミリリットル入りの場合、マヌカオイルが3000円から4000円であるのに対し、オーストラリア産ティーツリーオイルは1000円から2000円である。

 

(3) マヌカオイルの効能は、オイルを採取する樹木(枝と葉を蒸気蒸留することでオイルを採る)がどこで育ったのかにより大きく異なる。抗菌力が最も高いオイルは、北島のイーストケイプ地域と、南島最北部のマールバラ・サウンド地域のマヌカから採られたものである。オーストラリア産ティーツリーオイルの効能に、マヌカのような地域差があるという報告は存在しない。

 

(4) マヌカオイルは野生のマヌカから採られるのに対し、オーストラリア産ティーツリーオイルは大規模農園で育成した木から採られる(ただしこれについては現況であり、コンビタ社やニュージーランド・マヌカ社などではマヌカ農園を開発中であることから将来的にはあてはまらない可能性もある)。

 

(5) マヌカオイルが商品化されてまだ20年であるのに対し、オーストラリア産ティーツリーオイルには90年の歴史がある。



(1) 入植者は多くの場合、植民地で見つけた土地や山、そして草や木について、先住民(ニュージーランドならマオリ、オーストラリアならアボリジニ)が使っていた名前を覚えようとせず、英語の名前をつけました。たとえばポフツワカと呼ばれていた木を「クリスマスツリー」、レワレワの木を「ハニーサックル」、マヌカ(やカヌカなど)を「ティーツリー」と名付けるという具合です。同様に、アオラキというニュージーランド最高峰はクック山、またタラナキ山はエグモント山と呼ばれるようになりましたそもそもニュージーランドという国名さえ、ネザーランド(オランダ)のジーランドという州の名前を英語読みしたものです。マオリ語ではこの国の名前はアオテアオラ(たなびく白い雲の土地の意)と呼ばれます。(ニュージーランドの公式名がアオテアロアを含むように変更すべきかどうかについての国民投票のための請願書が、2019年に議会に提出されました。)

 

(2) Leptospermum scorpariam(マヌカ)をはじめとするギョリュウバイ属の植物、Kunzea ericoides(カヌカ)Melaleuca alternifolia(ティーツリー)をはじめとするフトモモ科の植物、そしてTaxandria parviceps(これもティーツリー)の4種。

 

(3) 出典:"An Investigation into the Antimicrobial Properties of Manuka and Kanuka oil". Cooke, A. and Cooke, M.D. Cawthron Report, Cawthron Institute , NZ (1994).

 

関連文献

“Essential oils from New Zealand manuka: triketone and other chemotypes of Leptospermum scoparium". Douglas MH, et. al. Phytochemistry, Volume 65, Issue 9 (May 2004).