グローバル調査

 

世界各地で、はちみつからネオニコチノイド残留農薬が検出されています。

 

南極を除くすべての大陸および島嶼から集めた198のサンプルを分析した結果が、2017年に発表されました(1)。

 

Science Vol. 358|
Science Vol. 358|

 

この分析結果によればサンプルのうち75%から、少なくとも5種類のネオニコチノイド(アセタミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアクロプリド、チアメトキサム)のうち1種類が検出されました。またサンプルの45%からはこれらの農薬のうち2種類以上、そしてサンプルの10%からは4種類または5種類の農薬が検出されました。

  

この分析結果は、世界中のみつばちが、花みつを食べることでネオニコチノイド系農薬に触れていることを裏付けました。ただしネオニコチノイド化合物の量は人間が摂取しても安全だと考えられているレベルとされています(2)。

NZにも検出

 この調査で、ニュージーランド産はちみつのサンプルのうち4種類からネオニコチノイドの残留が確認されたことは、NZに大きな衝撃をもたらしました。ネオニコチノイド残留が確認された4種類のサンプルのうち3種類がマヌカはちみつでした(3)。

 

NZの人々は驚きました。マヌカ農園も(今のところ)、そしてほぼすべてのマヌカの巣箱も、農地や果樹園、人口密集地からはるかに離れたところにあるというのに、いったいどうしてこんな結果になったのだろう?そんなことがほんとうにあり得るだろうか?

 

この問いに対する一番ありそうな答えは、検査対象とされたサンプルには「マヌカ」という表示があっても、実際にはマヌカと、牧草地で採られたみつを混ぜたものだった、というものです。分析が実施されたころは、マヌカ以外のみつをたくさん混ぜたものや偽マヌカが、NZ内外で散見されました(4)。

 

弊社はちみつ提供会社の状況及びNZ政府の方針が右のボタンからご覧になれます。


お客様の声をうけて

 はちみつの残留農薬について、お客様からの懸念の声が上がっています。そこで、ここに改めて告知いたしますが、弊社が輸入しているはちみつはすべて、現在では128種類の農薬についての検査を行っております。検査対象の農薬には、除草剤グリホサートならびに5種類のネオニコチノイド系殺虫剤も入っています。


(1)サイエンス誌記事。2017年10月6日付。執筆者Mitchel, E.A.Dほか。 “A worldwide survey of neonicotinoids in honey”. Science (2017).

 https://www.science.org/toc/science/358/6359

(2)こうしたレベルは「許容残留量」あるいはMRLと称される。

(3)NZヘラルド紙記事。2017年10月17日付。執筆者Jamie Morton。

“Pesticide traces in NZ honey surprise researcher”. By Jamie Morton. The New Zealand Herald (Oct. 17, 2017).

https://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11934014

(4)この研究結果の公表後、NZ政府はマヌカはちみつの科学的な定義を導入し、小売り用として輸出する商品にはその定義に沿うことを求めるようになった。

Neonicotinoid pesticides | updated 2022.9.24