glossary


 サイエンス

Catalase カタラーゼ:酸素に触れる有機体のほぼすべてに見られる酵素です。この酵素の働きで、過酸化水素が水と酸素に分解されます。

 

DHA (dihydroxyacetone) ジヒドロキシアセトン:マヌカの花蜜に固有のものです。ジヒドロキシアセトンは時間がたつにつれ、自然にメチルグリオキサールに変化します。

 

Glucose oxidase ブドウ糖酸化酵素(グルコースオキシターゼ):花蜜をはちみつに変換する際にみつばちが加える酵素です。この酵素の働きで、ブドウ糖が過酸化水素に変化します。ほとんどのはちみつにみられる主な抗菌効果は過酸化水素によるものです。

 

Leptosin レプトシン(メチルシリンゲート配糖体):マヌカはちみつに含まれる化学マーカー。兵庫県立大学人間環境学部の研究者グループが、20123月、アメリカの科学雑誌Journal of Agricultural and Food Chemistryに論文を発表しました。論文タイトルはIdentification of a Novel Glycoside, Leptosin, as a Chemical Marker of Manuka Honeyです(タイトル仮訳:マヌカはちみつに化学マーカーとして存在する、新種のグリコシドであるレプトシン)。

 

Leptosperin レプトスペリン: レプトシンに同じ。上記の兵庫県立大学の研究論文の発表以前にLeptosperinという英語は存在しませんでした。「レプトスペリン」の語を作ったのはユニーク・マヌカファクターはちみつ協会(UMFはちみつ協会)です。同協会が兵庫県立大学チームの研究を助成していました。

 

HMF (hydroxymethylfurfural) ヒドロキシメチルフルフラール:糖の熱分解により生成される物質です。

 

MGO / MG (Methylglyoxal) メチルグリオキサール:花蜜の中にあるジヒドロキシアセトンから作られる天然の物質。MGOMGは、ともにメチルグリオキサールの略です。

 

Medical grade / clinical grade「医療用」「臨床用」グレード:このように呼ばれるのは、ガンマ線(放射線の一種)を照射したマヌカはちみつだけです。ガンマ線を照射することで、ボツリヌス菌を発生させるクロストリジウム胞子が死滅し、傷口に塗布できるようになります。

 

研究所や食品ラボ

Analytica Laboratories Ltd. ()アナリティカ・ラボラトリー:ニュージーランド・ハミルトンにある研究所。ニュージーランドの養蜂業界むけに、マヌカはちみつの格付けその他の検査のサービスを提供しています。

 

R J Hill Laboratories Ltd. ()ヒル・ラボラトリーズ:ニュージーランド・ハミルトンにある研究所。ニュージーランドの養蜂業界むけに、マヌカはちみつの格付けその他の検査のサービスを提供しています。

 

研究者

Kato, Yoji 加藤陽二:兵庫県立大学・人間環境学部教授。レプトシンがマヌカはちみつの重要な化学マーカーであることをつきとめた2012年論文の筆頭執筆者。

 

Henle, Thomas ヘンレ、トーマス:ドイツのドレスデン工科大学・食品化学研究所所長、工学博士。2008年にメチルグリオキサール(MGO )がマヌカに抗菌力をもたらしていることをつきとめた。2008年にこの研究成果を発表した論文の筆頭執筆者。

 

Maddocks, Sarah E マードックス、サラ・E:英国のカーディフ・メトロポリタン大学健康科学部 微生物学講師。マヌカはちみつの抗菌性の詳細をあきらかにした2013年論文の筆頭執筆者。

 

Molan, Peter モラン, ピーター:英国ウェールズ生まれ。マヌカはちみつ研究の父とも呼ばれ、マヌカの持つ過酸化物によらない抗菌効果を解明。専門は生命化学(ニュージーランドのワイカト大学)。同大学にはちみつ調査部門を起ち上げ、1995年から2013年までこの部門を指揮。2015年死去。

 

Stephens, Jonathan C ジョナサン, C. スティーブンズ :ワイカト大学でモラン博士の代行を務めた。ニュージーランドの植物相、特にギョリュウバイ(マヌカの木、学名leptospermum scorparium)をはじめとする、はちみつが採れるニュージーランド固有種についての権威。UMFはちみつ協会科学班のメンバー、コンビタ社社員。

(その他)

 

 


格付けシステム

MGO / MG : ともに「メチルグリオキサール」の省略形。小売り用マヌカはちみつ製品1キログラムあたりのメチルグリオキサール含有量(ミリグラム)を表示する際に用います。たとえばMGO/MG 100+という表示の場合、はちみつ1キログラムあたり100ミリグラムのメチルグリオキサールが含まれていることを意味します。

 

MGS (Molan Gold Standard) : モラン博士が考案したマヌカはちみつの格付けシステム。UMFと同様の基準ですが、主としてワトソン&サン社と、ニュージーランド・ハニー社(ともにニュージーランドのメーカー)がこの格付けシステムを用いています。

 

NPA (non-peroxide activity) : 過酸化酸素によらない活性。過酸化水素物を中和したのちにマヌカはちみつに残る抗菌力を測定したもの。抗菌力はUMFと同じくフェノール水溶液と等価(ただしUMF値はメチルグリオキサールとの相関関係で決まる)。UMFという格付けシステムを使用できるのは、UMF協会の会員のみで、会員以外はMGO/MGを使用しています。

 

PA (peroxide activity) : 過酸化酸素による活性。過酸化酸素はほぼ全てのはちみつ中に存在していますが、時間とともに効力が弱まります。NPAMGOの値を測るものではありません。

 

TA (total activity) : 上記PAと同じ。

 

UMFUnique Manuka Factor):ユニーク・マヌカ・ファクター。 ピーター・モラン博士の造語。マヌカはちみつの抗菌力がメチルグリオキサール由来であることが発見される以前に、マヌカはちみつの持つ抗菌力を表していたものです。現在ではラボ報告書ではすべて、メチルグリオキサール含有量が記載されています。それにもかかわらず「UMF」の語が使われているのは、UMFが世界的なブランドとして認識されているからです。

 

蜜源となる木

Kahikatoa カヒカトア:マオリ語ではギョリュウバイの木は「マヌカ」または「カヒカトア」と呼ばれます。「カヒカトア」の語は主にニュージーランド北島で用いられます。

 

Kanuka カヌカ: マヌカとよく似ていますが、樹高がもマヌカよりも高くなります。ニュージーランドの固有種です。1983年まではマヌカと同じレプトスぺルムム属の木に分類されていました。当時の学名はLeptospermum ericoidesです。オーストラリアの植物学者、ジョイ・トンプソンの研究によりカヌカの分類が見直され、学名もKunzea ericoidesに変わり、カヌカは、マヌカとは別の属となりました。

 

Manuka マヌカ:和名ギョリュウバイ(檉柳梅)、学名Leptospermum scorpariumニュージーランドおよびオーストラリア南部に固有の灌木。「マヌカ」はマオリ(ニュージーランド先住民)語です。

 

Tea Tree ティーツリー:18世紀以来、ヨーロッパ人入植者がニュージーランドおよびオーストラリアのよく似た見かけの木をひとまとめにしてこのように呼んでいました。現在ではティーツリーは、オーストラリア固有種の学名melaleuca alternifolia英名ナロウ・リーヴド・ペーパーバークnarrow-leaved paperbarkの木を指します。

 

政府規制機関

MPI (New Zealand Ministry for Primary Industries) : ニュージーランド第一次産業省。ニュージーランドの農業を司る省です。「マヌカはちみつ」を定義し、製造およびパッキングの規格を決定し、輸出品をパッキングする施設を指定します。