BPAは「ビスフェノールA」という化学物質の略称で、ポリカーボネート製プラスチックやエポキシ樹脂の製造に使われます。ポリカーボネートは食品や飲料の容器に、エポキシ樹脂は食品用缶詰をはじめとする、各種金属容器内側や飲料容器王冠内側のコーティングに利用されています。
容器からBPAが食品や飲料の中に溶け出し、特に胎児・乳幼児の健康に悪影響を及ぼす恐れがあるという研究結果もあります。この背景については、日本生活協同組合連合会による「ビスフェノールA 問題についてのQ&A」でわかりやすく説明されています。リンクはこちら。
BPAと、高血圧・2型糖尿病・循環器疾患の増加の関連を示唆する、メイヨー・クリニック(合衆国の大手総合病院)による研究もあります。
JCIがニュージーランド(NZ)から輸入しているはちみつ容器はすべてBPAフリーのPET(ポリエチレンテレフタレート)製です。以前取扱のあったコームハニー(巣みつ)容器も、BPAフリーのPE(ポリエチレン)製です。
JCIが取り扱うはちみつのPET容器はすべて、オークランドに本社があるファーマパック社Phamapacが製造しています。同社が製造する容器はリサイクル可能で、BPAやフタレートを含んでいないことを発表しています。
ファーマパックの社内ラボで品質検査を受けるBPAフリーのはちみつ容器
はちみつ輸入に際しては毎回、厚生労働省所管の検疫所に、食品等輸入届出書を提出する必要があります。この届出書(29の欄)では容器の材質(包装種類)についても申告しなければなりません。ここに記載する包装種類・厚生労働省が定めたコードは、下記の表をご参照下さい。
表中「合成樹脂製のもの」の四番目にあるKPCが、BPAを含有するポリカーボネートです。このように日本でも、またEU・合衆国・オーストラリア・NZその他の国々でもBPA使用は容認されていますが、その安全性に関する消費者の懸念が高まっているようです。
(この記事はある日本のお客様から、弊社はちみつ容器がBPAフリーかどうかの問合せを頂戴した際の回答に加筆したものです)
出典:厚生労働省
註
(1)ビスフェノールA問題についてのQ&A| 日本生活協同組合連合会
https://jccu.coop/food-safety/qa/qa02_03.html
(2)材質コード | 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/tetsuzuki-fains/2-11.html
(3)"What is BPA, and what are the concerns about BPA?" | Mayo Clinic, US
https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/nutrition-and-healthy-eating/expert-answers/bpa/faq-20058331
(4)Download Bisphenol A-Infomation Sheet
https://www.mpi.govt.nz/dmsdocument/25685/sitemap
(5)Bisphenol A (BPA)
https://www.foodstandards.gov.au/consumer/chemicals/bpa/Pages/default.aspx
(6)"BPA declared toxic by Canada"
https://www.cbc.ca/news/science/bpa-declared-toxic-by-canada-1.873250
(1)ポリエチレンテレフタレート(PET、polyethylene terephthalate)
厚生労働省コード:KET
(2)ポリエチレン (PE polyethylene)
厚生労働省コード:KPE
(3)ポリカーボネート (PC、 polycarbonate、「BPA」ビスフェノールAを含む)
厚生労働省コード:KPC
BPA-free honey containers | 2022.7.13