ネオニコチノイド系農薬

授粉に欠かせないポリネーター(送粉者)の塗り絵

 この美しい塗り絵は、NZ環境保護局(the NZ Environmental Protection Agency, EPA)が作成した教材の一つです。みつばちをはじめとする昆虫や鳥など、ポリネーターの重要性を教えるためのものです。

 

この楽しい塗り絵はEPAのウェブサイトでダウンロードできます。

 ’Meet-our-pollinators-colouring-in-sheet’ を探してください。

EPAのウェブサイトへのリンクはこちら。 

https://www.epa.govt.nz/everyday-environment/animals-and-insects/bees/


NZ政府、ネオニコチノイド系農薬の安全性評価見直しへ

2020年1月、NZ政府は国内で使用される農薬のうち、ネオニコチノイドを含む製品の認可の見直しをはじめました。ネオニコチノイド使用の禁止や規制の強化につながりそうです(オーストラリア政府も同様の見直しを行っています)。

 

EPAはウェブサイトで次のように述べています(註1)

 「NZ国内で使用される、ネオニコチノイド成分を含む農薬の認可を見直す根拠があると判断した。ネオニコチノイドは殺虫剤の一つで、この農薬がみつばちの個体数に与える影響についての懸念が国際的に高まっている」

EPAの視点と認可見直しの背景

ネオニコチノイドは、種子処理剤として140種類を超える作物(トウモロコシ、米、大豆、麦など)に使用されています。また家庭用の園芸植物の種子にもネオニコチノイドが塗布処理されています。塗布された農薬は種子の成長に伴い、その植物の全体に広がります。つまり花粉や花蜜の中にも農薬が入り込むわけです。

このようなネオニコチノイドの使用が、みつばちが帰巣するための方向感覚を狂わせ、蜂群崩壊症候群を引き起こしていると考える研究者はたくさんいます。研究者は、低レベルの曝露であっても、はちにとっては致命的な影響があると見ています。例えば免疫系の損傷、学習能力の変化、食物発見能力の低下などが起きうるというのです。

 

みつばちがネオニコチノイドで処理された植物の花粉を集めると、その後に作られるはちみつ中にも殺虫成分が残ります。これは、はちみつを食べる側から見ても望ましくありませんが、それよりも深刻なのは、みつばちの健康に対する悪影響と、多数の果樹・野菜の授粉に対する悪影響です。

 

みつばちの授粉により作られる食物の小売価格の総計は、地球全体で230億米ドルから570億米ドルに上ると見積もられています。一方、世界のはちみつ小売価格の総計の見積りは、およそ80億米ドルです。

 

国連食糧農業機関(FAO)の見積りでは、およそ100種類の作物が世界の食糧生産の90%を占め、その100種のうち71種で、みつばちが花粉を媒介しています(NZの場合、キゥイフルーツとアボカドはみつばちの授粉なしでは生産できません)。

NZにおけるネオニコチノイド系農薬使用の現状はこちら



重要な参考文献

(1)New Zealand Environmental Protection Authority [NZ環境保護局](2020)’Ground established to reassess neonicotinoids ’[邦訳なし・仮題:ネオニコチノイドの評価を見直す根拠] ニュージーランド政府ウェブサイト2020年 1月27日発表

https://www.epa.govt.nz/news-and-alerts/latest-news/grounds-established-to-reassess-neonicotinoids 

2023年1月14日閲覧

 (2)UN Environment Programme[国連環境計画](2022)’Why bees are essential to people and planet ’[邦訳なし・仮題:みつばちが人間と地球にとって欠かせない理由] https://www.unep.org/news-and-stories/story/why-bees-are-essential-people-and-planet

2023年1月14日閲覧

(3)UN Environment Programme[国連環境計画](2010)’Emerging Issues: Global bee colony disorders and other threats to insect pollinators’ [邦訳なし・仮題:新たな問題:地球規模での蜂群崩壊ならびに蜂以外の授粉昆虫に迫る脅威]

https://www.unep.org/resources/report/unep-emerging-issues-global-honey-bee-colony-disorder-and-other-threats-insect

2023年1月14日閲覧

(4)Maj Randölf et.al.(2015) ‘Seed coating with a neonicotinoid insecticide negatively affects wild bees’ [邦訳なし・仮題:ネオニコチノイドを塗布した種子が野生の蜂に悪影響を及ぼす] Nature. volume 521, pp. 77–80. Nature Research. [アブストラクトはウェブサイトでも閲覧可]

https://www.nature.com/articles/nature14420

2023年1月15日閲覧

(5)ネオニコチノイドについての事実の概要は、欧州委員会のウェブサイトにも紹介されている。

https://food.ec.europa.eu/plants/pesticides/approval-active-substances/renewal-approval/neonicotinoids_en   

2023年1月15日閲覧

(6)Shaden A. M. Khalifa et.al. (2021)’Overview of Bee Pollination and Its Economic Value for Crop Production’. [仮題:ハチ授粉の概要及び作物生産に対するハチ授粉の経済的価値] Insects 2021, 12, 688. MDPI. https://doi.org/10.3390/insects12080688

2023年1月15日閲覧

世界の小売はちみつ売上高はGlobalDataに掲載されたもの。

https://www.globaldata.com/data-insights/consumer/market-value--retail-sales-value--of-global-honey-segment-1547318 

2023年1月15日閲覧

Neonicotinoid pesticides | updated 2023.1.26