水分と資質

弊社がNZより輸入しておりますはちみつはどれも水分含有量が低く、15.8%(タイムはちみつ)から18.2%(マヌカ)です。

 

水分含有量のこの低さこそが高品質のはちみつの証であり、廉価で大量に販売されている水っぽいはちみつとの違いです。

 

水分の多いはちみつは、いったん開封されて空気に触れると速やかに発酵します。はちみつが発酵すると、表層に泡を生じ、味が変わって酸っぱくなります。はちみつにはもともと吸湿性があることから、最初から水分の
多いはちみつはそれだけ発酵が早くなるわけです。

 

弊社の仕入れ先によれば「密封していないはちみつを、湿度の高い状態で棚に放置すれば、あっという間に発酵してしまう。水分含有量が20%以上の場合、発酵する可能性は非常に高い」とのことです。

 

水分含有量の低さについてはにはいくつかの理由があります。弊社の仕入れ先業者は以下の点を指摘しています。

 

(1)ミツロウの蓋

はちみつは、ミツロウで蓋ができた状態の巣に限って採るべきです。みつばちは巣房をみつでいっぱいにしてから数日間、水分が蒸発するのを待ち、その後ミツロウで蓋をします。

このようにして蓋をされたはちみつは「完熟」はちみつと呼ばれます。これとは反対に、廉価で大量販売されているはちみつを製造するにあたっては、ミツロウで蓋をされた巣房からもまだ蓋ができていない巣房からも、区別なく採蜜しているのです。

 

(2)はちみつ処理と容器詰めの方法

(i) 結晶化またはクリーム化の過程この過程では長時間(数日間)にわたり低温ではちみつを攪拌します。この過程で空気に触れる時間が長いと、はちみつには吸湿性があることから、水分含有量が高くなってしまいます。クリーム化に要する時間はできるだけ短いことが望ましいのです。

 

(ii)またはちみつが空気中の水分を吸収しないように、絞ったみつはできるかぎり速やかに貯蔵用タンクに移さなければなりません

国際食品規格委員会 [CODEX] の基準では、はちみつの水分含有量は20%を超えてはならないと定められています。ただしCODEXではヒースのはちみつを例外として、23%までの水分含有量を認めています。これは、ヒースみつにはゲルのような性質があり、水分がゲルに閉じ込められて発酵が抑止されるためです。


(3)蜜源となる花の種類

牧草から採れる、たとえばクローバーのはちみつは、マヌカのように樹木の花みつから採れるはちみつよりも、もとから水分含有量が高いのです。これは、樹木の花由来のはちみつのほうが、チキソトロピー性が高い性質があることによります。

 

(4)水増し

はちみつに水を加えると、非常に低いコストではちみつ量を増やせます。弊社の仕入れ先がはちみつを水増しするということはあり得ませんが、この「水増し」を行っている国もあります。

脂肪分

廉価で大量販売されているはちみつの大半は、脂肪含有量がゼロです。ただしこれはヘルシーなこととして特に誇るべきことではありません。

一方、弊社のはちみつの成分を検査すると、すべてのはちみつに少量の脂肪が含まれていることがわかります。これは、弊社の仕入れ先では、はちみつを濾過する際に目の粗い
(200ミクロン以上)のフィルターを利用していることによります。

花粉

目の粗いフィルターを用いると、ミツロウの破片(これが脂肪にあたる。少量のミツロウは健康にもよい)や、花粉(蛋白源として健康によい)がはちみつ中に残ります。

花粉や少量のミツロウが残ることで、ヘルシーな高品質のはちみつができるのです。


Moisture and fat | updated 2022.3.6