honey is the more healthful choice


人類がはちみつと出会い、はちみつを探しはじめたのはおよそ8000年前(紀元前6000年)のことだと考えられています。

 

スペイン東部・バレンシア州ビコルプにある、世界遺産アラーニャ洞窟の壁画をみればそれがわかります。「ビコルプの人」と呼ばれる壁画には、みつばちが周囲を飛び回る中を、籠を手にした人が、はちの巣に近づこうとしている様子が描写されています。

養蜂がエジプトではじまったのは、神殿やピラミッドの壁画から、紀元前2500年ごろのことだと考えられています。紀元前1500年以降には、はちみつが貴重であり大切に守られていたという記録が残っています。

 

古代エジプトの人々は、はちみつを神々への捧げ物とし、またトルコでは巣を盗んだ者には高い罰金が科せられました。

古代のヒンドゥ、仏教、イスラム、ユダヤ教、そしてキリスト教の聖典ではいずれも、はちみつは食べ物であると同時に薬品(例えば傷の手当て用)として讃えられています。また特にギリシア文明・黄河文明では、はちみつの薬効がひじょうに高く評価されました。

 

砂糖は新しい甘味料

はちみつに比べると、砂糖は比較的新しい甘味料です。化学的に精製された砂糖が登場した(インド)のは、ようやく紀元前500年あたりになってからのことで、アラーニャ洞窟に描かれたはちみつ採集の例からおよそ5500年も後のことです。しかし砂糖は、日用の調味料ではなく、貴重で高価な香辛料という扱いでした。

 

安価な砂糖が大量に生産された陰には、17世紀初頭に始まる、暗く悲惨な歴史があります。砂糖産業は、カリブ諸島とブラジルの奴隷プランテーション経済を土台としていました。さらに砂糖には栄養面での利点はありませんでした(註1)。

 

こんにち、はちみつが再度脚光を浴びています。はちみつは単に砂糖にかわる健康的な甘味料として注目されているということにとどまらず、薬や化粧品、スポーツや料理の領域でも注目されています。

傷の手当て用(軟膏や傷口を覆うもの)のはちみつとして、マヌカが使われる場合が多いのは、マヌカに皮膚の回復を促す成分が含まれているからです。化粧品メーカーがスキンケア製品にマヌカを利用するのもこのためです。

耐久力を競う種目のアスリートは、砂糖よりもはちみつのほうが長時間エネルギーを供給してくれることに気づきはじめています。高名なシェフは、調味料・甘味料として、はちみつを好み、砂糖の使用を控えています。

ヴィーガン主義

ヴィーガンの人たちは、はちみつを食べません。みつばちは、巣箱の中で奴隷労働を強いられており、はちみつは倫理的に問題のある作り方をされているから、というのがその言い分です。

 

この見解については、弊社は同意しかねます(ただし、これ以外では、弊社は動物福祉を推進する立場にあり、ヴィーガンの見解を支持することが多いです)。

 

みつばちは、人間が作った巣箱から自由に出て行くことができます。好きなように出入りします。もし女王蜂が巣の状態に満足していなければ、出て行きます。そしてもし女王が出て行けば、そのコロニーのみつばちは、女王の後を追います。

 

サトウキビ農場で強制労働に従事していた奴隷達には、そのような移動の自由は認められていませんでした。

 

 

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この3ペセタ(ユーロ導入以前のスペインの通貨)郵便切手は、バイコープの人を記念したものです。壁画はおよそ8000年前のものと考えられています。


はちみつは健康的な選択

Tahi Estate


はちみつと砂糖:栄養値比較

  単位 はちみつ 砂糖(a)
水分  g  17.1  0.02
エネルギー  kcal  304  387
タンパク質  g 0.3 0.0
脂質  g 0.0 0.0
炭水化物  g 82.4 99.98
植物繊維  g 0.2  0.0
糖分合計  g 82.1 99.8
ミネラル      
 カルシウム  mg 6.0 1.0
 鉄  mg 0.42 0.05
 マグネシウム  mg 2.0 0.0
 リン  mg 4.0 0.0
 カリウム  mg 52.0 2.0
 ナトリウム  mg 4.0 1.0
 亜鉛  mg 0.22 0.01
ビタミン      
  ビタミンC  mg 0.5 0.0
  リボフラビン(b)  mg 0.04 0.02
  ナイアシン(c)  mg 0.12 0.0
  ビタミンB6  mg  0.02  0.0

出所: 米国農務省栄養データベース
米国農務省のデータベースによるはちみつの

コードは19296で、グラニュー糖、19335です。
註: (a) グラニュー糖 (b) ビタミンB2

(c) ビタミンB3


ミネラル

はちみつは砂糖よりもヘルシーだと考えられます。はちみつは各種ミネラルやビタミンが豊富な上、カロリーも低いためです。

 

表にあるように、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、ナトリウムなどのミネラルや、ビタミンC, B2, B3,B6が含まれます

 

蛋白質

はちみつは蛋白質も含みますが、砂糖には蛋白質が全く含まれません。さらに、はちみつのカロリーは砂糖に比べ21パーセントも低いのです。(同じ重量のはちみつと砂糖の比較です。茶さじ一杯あたりの比較ではありません)。

 

砂糖については、次のような正鵠を射た記述があります。「砂糖は誰にとっても不要な食物であるが、誰もがそれを渇望する」(註2)



参考文献

1. カーリド・ムハンマド「アメリカの食事にあふれかえる砂糖には、奴隷制度を推進した『白いゴールド』としての暗い歴史がある」New York Times 紙 2019年8月14日

 

2. 「砂糖の歴史:誰にとっても不要な食物だが誰もがそれを渇望する」https://theconversation.com/a-history-of-sugar-the-food-nobody-needs-but-everyone-craves-49823

2021.10.5